【組み込みシステム】状態遷移設計

状態遷移

状態遷移とは、ある状態が別の状態に遷移することです。 ソフトウェアでは、変数の内容やデータの内容が事前に決まった状況のことを状態と定義したりします。

状態遷移といっても、いくつか形があり、今回はミーリ・チャートとムーア・チャートの二つについて比較してみます。

ミーリ・チャート

ミーリ・チャートは、出力が変化するときを状態として定義します。 よって、「イベント」によって状態が遷移します。

ソフトウェアの部分だけをとらえることに使用します。

ムーア・チャート

ムーア・チャートは、出力がある規定された状況であることを状態として定義します。 よって、システムの出力毎に状態を定義します。

ソフトウェアとハードウェアに分けずに、システム全体をとらえることに使用します。

ミーリとムーアのタイミングの違い

ミーリはソフトウェアの部分だけとらえます。しかし、実際にソフトウェアが制御してから、ハードウェアが出力するまでにはタイムラグが存在します。ムーアではこのタイムラグを含めたシステム全体の出力に着目するため、同じシステムを分析したとしても、ミーリと比較して少し遅れが生じます。これが、ミーリとムーアの本質的な違いです。